仙台からやってまいりました! 毎度、「まちとアート」のアーティスト・門脇でございます。
千葉のアートNPO「コミュニティアート・ふなばし」さんのコーディネートのもと、船橋市本町通り商店街と地域のNPOとの共同参画事業「きらきら夢ひろば」にやってくるようになって今年で4年目となります。
「きらきら夢ひろば」、略して「きらゆめ」は、2003年にはじまった社会実験的な試みで、春と秋の年2回行われ、今回で13回目。
私はこれまで秋の「きらゆめ」に参加していましたが、今年はじっくり腰をおちつけ、春の「きらゆめ」にはじまり、夏の「ふなばし市民まつり」、そして秋の「きらゆめ」と、年間通じてひとつのものをつくっていくという視点から考えていきたいと考えています。
写真に写っているのは千葉大法経学部4年の中川くん。彼はすごい男なんですが(こちら)、今日は仙台からやってきた私を駅まで出迎えてくれ、さっそく本町通りのストリートで公開制作を手伝ってくれています。
コミュニティアート・ふなばしのすばらしい点のひとつは、こうした若者たちのコーディネート力にあります。おそらくは美術にかかわりない方がアートにかかわる機会などほとんどないか、あっても一方的に観客として見るといった仕方でしかないでしょう。また、大きなアート・プロジェクトに参加しても作業員のように手足のように使われて終わってしまうかもしれません。
コミュニティアート・ふなばしでは年間通して行われる多数の小さなプロジェクトに責任もって参加してもらい、アートを通して、いわゆるアーティストを育てるのではなく、社会をおもしろくしていく成員という意味でのアーティストを育てているように思います。
そして、その「舞台」となっているのが例えばここ、船橋市本町通り商店街です。
おそらく商店街にはアートに関心のある方はそういないと思います。
しかしそれが大事なのです。
アート好きな人とアートをやるのは、難しい面もありますが、根本的な点では問題がないのではないでしょうか。アートをやるという前提には疑いはないわけですから。問題があるとすれば、どのようにそれをするか、といった点になるのだと思うのですが、商店街ではまず「なぜアートをやるんだ」という原初的な問題提起が常についてまわります。常にそこに立ち戻らされる。それがまちでアートをやるということの意味だと思っています。それが私の感じる「リアリティ」なのです。そしてそれを、かかわってくる若い人たちと共有したい。
(つづく)